ANAのイノベーション創出エンジン「デジタル・デザイン・ラボ」

大手航空会社のイメージが強いANA。実は総合当時はヘリコプター2台と従業員16名のベンチャー企業でした。そこから60年以上の歳月をかけ国際線事業への参入など、様々なチャレンジを行い現在の地位を築きます。

航空業界でのポジションを確立した一方で、“いつも通りであること”(航空事業の至上命令は「安全運行」)が徹底され、イノべーティブなマインドが持ち辛くなるように。


そんな状況を打破し、『破壊的イノベーション』を起こすことをミッションに、新組織「デジタル・デザイン・ラボ(DD-Lab)」が2016年4月に設立されました。




現在、取り組んでいるプロジェクトは主に4つ。

  1. LCC
  2. DRONE(ドローン)
  3. ROCKET(ロケット)
  4. AVTER(アバター)


どれも興味深いテーマですが、特に注目したいのが4つめのAVTERです。




飛行機の搭乗経験があるのは、全世界の6%。残り94%は飛行機に乗っていない。この94%の人たちに対して、距離、身体、文化、時間、あらゆる制限を超える瞬間移動手段として「ANA AVATAR」は位置付けられています。

ロボティクスや物を触ったときの感覚を疑似的に伝える技術等を用い、離れた場所にあるAvatarを遠隔操作して、あたかもそこに自分自身が存在しているかのようにコミュニケーションや作業を行うことができます。




このプロジェクトがすごいのは、世界でイノベーションを牽引するXPRIZE財団とパートナー契約を締結し、国際賞金レース「ANA AVATAR X PRIZE」を実施しているところ(賞金はなんと1000万ドル(約11億円)!)。

AVATARに必要なロボティックス・VR・AR・センサー・通信・ハプティックス(触覚)技術等、様々なテクノロジーが個別に発展を遂げている現状において、賞レースを主催し、これらを融合することで、いち早い実用化を目指します。




人の移動をサポートする企業のイノベーションは、「人は移動しなくてもよい」かたちというのは、とても興味深い取り組みです。


「ANA AVATAR X PRIZE」のWinnerは2022年発表予定。どんなサービスが立ち上がるのはとても楽しみです。


※ANA DD-Labの代表・津田さんが登壇されたイベントに参加しました。ANA DD-Labの活動についてついて、興味を持っていただいた方は、以下ブログも読んでいただけると幸いです。

DX lab

京都のデジタルテクノロジーエージェンシー、agex DX labのメンバーブログです。

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